この記事でわかること
- 賃貸経営で使える主な節税の仕組み
- 個人と法人、どちらが有利になるのか
- 所得・物件規模・相続の観点で異なる選択肢
- よくある誤解と「法人化すれば安心」の落とし穴
- ケース別の考え方と相談時のポイント
「節税のために法人化」は本当に正解?
「賃貸物件を法人で所有すると節税になる」といった話を耳にしたことがあるかもしれません。
たしかに法人なら経費計上の幅が広がり、税率も個人より低いケースがあります。
ただし、それが「すべての人にとって最適」なわけではありません。
所有する名義によって税金の種類・手続き・相続のしやすさまで大きく変わるため、 損得だけでなく「目的」や「将来像」から整理する必要があるのです。
賃貸経営では、どこまでが「節税」になるのか

まず大前提として、「節税」とは合法的に税金を減らす工夫のこと。
賃貸物件を所有・運用することで、以下のような費用が経費として認められます。
- 固定資産税や火災保険料
- 修繕費や管理委託料
- 建物部分の減価償却費
- ローンの利息部分
これらを適切に計上することで、所得を圧縮し税金を抑えることが可能です。
ただし「誰が所有するか」で、どこまで経費として認められるか、税率がどうなるかが異なります。
個人名義所有と法人名義所有、それぞれの特徴を比較してみましょう
それぞれのメリット・注意点
状況別に見ると、以下のような傾向があります。
メリット | 注意点 | |
---|---|---|
個人名義所有 | ・確定申告で対応でき、手続きがシンプル
・住宅ローンなどが使いやすい
・相続時の「小規模宅地の特例」などが適用しやすい |
・所得が増えるほど税率が上がる(最大55%程度)
・赤字と給与所得を通算できるのは制限あり(損益通算の制限) |
法人名義所有 | ・所得税より法人税の方が低い(約30%前後)
・経費にできる範囲が広がる(役員報酬など)
・法人内に利益を残しておける(個人課税を先延ばしできる) |
・法人設立や維持に費用がかかる(登記・顧問税理士・決算など)
・融資条件が厳しくなる(特に新設法人) ・相続、売却の際に移転手続きが複雑になる可能性も |
どんな方が向いている?
個人名義の場合は、年収がそこまで高くなく、所有物件が少額(1〜2棟程度)の方に適しています。
「個人の延長で運用したい」「家族のためにシンプルに持ちたい」という場合に向いています。
法人名義の場合は、年収が高くなりそうな方や、複数棟の運用を前提に「事業化」を考える方に向いています。
「節税になるかどうか」よりも、「事業としてどう設計するか」が問われます。
ケース別に見る、所有名義の考え方
家賃収入が年間500万円未満 | 個人所有が基本的には無難 |
---|---|
年収1,000万円以上、物件が複数 | 法人化を検討する価値あり |
相続を見据えている | 小規模宅地等の特例など、個人での運用が有利な場合も |
将来的に売却益を狙いたい | 譲渡税や登記費用まで含めて比較検討が必要 |
大切なのは、「節税目的だけで名義を決めない」こと。
資産としての不動産の持ち方・出口戦略・ご家族の状況まで含めて考えることが最適解への近道です。
よくあるご質問
- 不動産を法人で持つと税金が安くなるって本当ですか?
- 一部は正しいですが、条件によります。法人化することで経費の幅は広がりますが、手続き・税率・二重課税の可能性もあるため要注意です。
- 今は個人所有ですが、途中から法人に変えられますか?
- 可能ですが、名義変更時に贈与税・譲渡所得税がかかる場合もあります。事前にしっかりと検討しましょう。
- 相続のことを考えると、法人と個人どちらがいいですか?
- 相続税の特例(小規模宅地等の特例など)は個人所有に限定されるものが多くあります。目的によって違いが出ます。
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