空き家を放置すると何が起きる?固定資産税と法的リスクを徹底解説
はじめに:その空き家、本当に大丈夫ですか?
相続で実家を引き継いだものの、遠方に住んでいて管理できない。転勤で家を空けたまま数年が経過している。こうした理由で空き家を所有している方は、年々増加しています。
「いずれ何とかしよう」と思いながら、つい後回しにしてしまう。その気持ちは、よくわかります。しかし、空き家の放置は想像以上に深刻な問題を引き起こす可能性があるのです。
私たち「住宅のマイスター日進・名東店」は、大手ハウスメーカーで27年間の実績を持つ代表を中心に、累計7,200組以上の住宅相談に対応してきました。その中で、空き家の放置によって思わぬトラブルに見舞われた方々を数多く見てきました。
本記事では、空き家を放置することで発生する固定資産税の問題や法的リスクについて、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。そして、どのように対処すれば良いのか、私たちの経験に基づいた実践的なアドバイスをお届けします。
空き家問題は決して他人事ではありません。今、空き家を所有している方はもちろん、将来的に相続する可能性がある方にも、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。
第1章:固定資産税が最大6倍に?特定空家のリスク
住宅用地の特例措置とは
まず、多くの方が知らない重要な制度について説明します。日本の税制では、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例措置」という優遇制度が適用されます。
具体的には、200平方メートル以下の小規模住宅用地の場合、固定資産税が6分の1に軽減されています。200平方メートルを超える部分についても、3分の1に軽減されます。これは、国民の居住を促進するための政策です。
例えば、本来なら年間24万円の固定資産税がかかる土地でも、住宅が建っていれば年間4万円で済むわけです。この差額、年間20万円は決して小さくありません。
特定空家に指定されると何が起きるのか
しかし、空き家を放置し続けた結果、建物が著しく老朽化すると、自治体から「特定空家」に指定される可能性があります。特定空家とは、平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」で定義された、以下のような状態の空き家を指します。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
特定空家に指定されると、先ほど説明した住宅用地の特例措置が適用されなくなります。つまり、それまで6分の1に軽減されていた固定資産税が、通常の税額に戻ってしまうのです。
実際に名古屋市近郊で起きた事例をご紹介しましょう。天白区にお住まいだったAさんは、ご両親から相続した一戸建てを空き家のまま10年以上放置していました。年間の固定資産税は約5万円。「まあ、この程度なら」と考えていたそうです。
しかし、建物の老朽化が進み、屋根の一部が崩れかけているとの近隣からの通報を受けて、自治体が現地調査を実施。特定空家に指定されてしまいました。その結果、翌年から固定資産税が年間約30万円に跳ね上がったのです。
突然の税負担増に、Aさんは大変困惑されていました。「もっと早く相談していれば」と後悔の言葉を口にされていたことを、今でも覚えています。
日進市・名東区でも他人事ではない
この問題は、特定の地域に限った話ではありません。日進市や名東区といった比較的新しい住宅地でも、高齢化に伴い空き家は増加傾向にあります。
日進市では、かつて開発されたニュータウンエリアの一部で、空き家問題が顕在化し始めています。名東区でも、相続を機に空き家となったケースが年々増えています。
私たちがサポートした名東区のBさんのケースでは、お父様が亡くなられた後、実家をそのまま空き家にしていました。Bさん自身は既に別の場所でマイホームを購入しており、実家に戻る予定はありません。
「でも、思い出の詰まった家を手放すのは…」という気持ちもあり、決断を先延ばしにしていたそうです。しかし、年々進む老朽化と、特定空家指定のリスクについて詳しく説明したところ、早期の対処を決断されました。
累積する維持コストの実態
固定資産税以外にも、空き家には様々な維持コストがかかります。これらは一つ一つは小さく見えても、積み重なると大きな負担になります。
定期的な管理費用として、月に1〜2回の見回り、草刈り、清掃などが必要です。遠方にお住まいの場合、管理会社に依頼すると月額1万円から2万円程度かかります。年間で12万円から24万円です。
火災保険や地震保険も継続して支払う必要があります。空き家の場合、通常の住宅よりも保険料が高く設定されることもあります。年間で5万円から10万円程度が相場です。
さらに、老朽化に伴う突発的な修繕費用も発生します。雨漏りの修理、外壁の補修、給排水設備のメンテナンスなど、放置すればするほど修繕費用は高額になります。
これらを合計すると、年間で20万円から40万円以上のコストが発生することになります。10年間放置すれば、200万円から400万円です。この金額は、決して無視できるものではありません。
第2章:法的責任と近隣トラブルの深刻さ
損害賠償責任のリスク
空き家の放置がもたらすリスクは、税金の問題だけではありません。より深刻なのが、法的責任を問われる可能性です。
民法第717条には「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」という規定があります。簡単に言えば、建物や塀などが倒壊して他人に損害を与えた場合、所有者が賠償責任を負うという内容です。
実際に起きた事例をご紹介します。日進市に隣接する地域で、空き家の外壁が強風で崩落し、隣家の車を直撃したケースがありました。幸い人的被害はありませんでしたが、車は大破。修理費用と代車費用を合わせて約150万円の損害賠償請求が所有者に届きました。
さらに深刻なのは、人身事故が発生した場合です。屋根瓦が落下して通行人が怪我をした場合、治療費はもちろん、慰謝料や休業補償なども請求される可能性があります。被害の程度によっては、数百万円から数千万円に及ぶこともあります。
「保険に入っているから大丈夫」と思われるかもしれません。しかし、空き家状態が長期化し、適切な管理を怠っていたことが明らかな場合、保険金が支払われないケースもあるのです。
行政代執行という最悪のシナリオ
特定空家に指定された後、自治体からの改善勧告や命令を無視し続けると、最終的に「行政代執行」が行われる可能性があります。
行政代執行とは、所有者に代わって自治体が建物の解体や修繕を行い、その費用を所有者に請求する制度です。聞こえは良いかもしれませんが、実際には所有者にとって最悪のシナリオです。
なぜなら、行政代執行で発生する費用は、所有者が自ら業者を選んで解体する場合よりも、はるかに高額になることが多いからです。通常の解体費用が150万円程度のケースでも、行政代執行では200万円以上になることも珍しくありません。
しかも、この費用は所有者の同意なく決定され、支払いを拒否することはできません。税金と同様に強制徴収の対象となります。分割払いの相談はできますが、金銭的な負担は非常に重いものとなります。
愛知県内でも、実際に行政代執行が行われた事例が複数報告されています。所有者が県外に住んでおり、連絡がつきにくかったケースや、経済的な理由で対応できなかったケースなどです。
近隣トラブルが招く精神的負担
金銭的な問題に加えて、見過ごせないのが近隣とのトラブルです。空き家は、様々な問題の温床になりやすいのです。
不法投棄の被害は非常に多く見られます。人の目が届かない空き家の敷地は、ゴミを捨てる格好の場所になってしまいます。粗大ゴミから家電製品、時には産業廃棄物まで捨てられることもあります。
害獣や害虫の発生も深刻です。換気されない建物内部は、ネズミやハクビシン、イタチなどの住処になります。これらの動物は騒音や悪臭の原因となり、近隣住民から苦情が寄せられます。
さらに恐ろしいのが、放火のリスクです。無人の建物は放火犯のターゲットになりやすく、実際に空き家を狙った放火事件は全国で発生しています。もし火災が発生すれば、近隣にも延焼する危険があります。
庭木の管理も問題になります。剪定されない樹木は隣地に越境し、落ち葉は近隣の雨どいを詰まらせます。「なんとかしてほしい」という苦情は、所有者にとって大きなストレスとなります。
名東区にお住まいのCさんは、転勤で3年間家を空けていました。その間、近隣から何度も苦情の連絡が入り、その都度対応に追われたそうです。「精神的に本当に辛かった」と話されていました。
第3章:リスクを回避するための具体的な対策
まずは目的を明確にすること
空き家のリスクを理解したところで、次は具体的な対策について考えましょう。最も重要なのは、「なぜその不動産を保有しているのか」という目的を明確にすることです。
将来的に住む予定があるのか、賃貸収入を得たいのか、売却して現金化したいのか。それとも、思い出があって手放せないのか。目的が曖昧なままでは、最適な選択はできません。
私たちがご相談を受ける際、まず最初にお聞きするのがこの点です。お客様の状況や希望を丁寧にヒアリングし、その上で最適な選択肢をご提案します。
特定のメーカーや業者に縛られない中立的な立場だからこそ、お客様にとって本当に良い選択肢を提示できます。メリットだけでなく、デメリットも包み隠さずお伝えします。
空き家を活かす選択肢
目的が明確になったら、具体的な活用方法を検討します。空き家を活かす方法は、大きく分けて以下のようなものがあります。
賃貸物件として活用する方法は、安定した収入を得られる可能性があります。ただし、建物の状態によってはリフォームが必要です。リフォーム費用と想定される賃料を比較し、投資回収の見込みを立てることが重要です。
日進市のDさんのケースでは、相続した一戸建てを賃貸物件として活用することを選択されました。築30年の建物でしたが、水回りを中心にリフォームを実施。月額8万円で賃貸に出すことに成功しました。
リフォーム費用は約300万円かかりましたが、月々の賃料収入から固定資産税や管理費を差し引いても、年間約60万円の収入が得られる計算です。4〜5年で投資を回収できる見込みです。
建て替えという選択肢もあります。老朽化が進んでいて修繕費用が高額になる場合、思い切って建て替えた方が良いケースもあります。新築の賃貸物件として活用すれば、より高い賃料設定が可能です。
ただし、建て替えには相応の資金が必要です。立地条件や周辺の賃貸需要を慎重に見極める必要があります。私たちは、こうした判断材料となる情報を提供し、お客様の意思決定をサポートします。
売却という選択肢と注意点
「活用する予定もないし、管理の負担から解放されたい」という場合は、売却を検討することになります。ただし、売却にもいくつかの選択肢と注意点があります。
空き家のまま売却するか、解体して更地にしてから売却するか。これは物件の状態や立地条件によって判断が分かれます。
建物に価値がある場合や、リフォームして住める状態であれば、建物付きで売却した方が良いケースもあります。一方、老朽化が著しく、建物に価値がない場合は、解体して更地にした方が買い手が見つかりやすいことがあります。
ただし、解体には費用がかかります。一般的な木造住宅の場合、解体費用は1坪あたり3万円から5万円程度。30坪の建物なら90万円から150万円程度が目安です。
さらに注意が必要なのが、解体のタイミングです。建物を解体してしまうと、先ほど説明した住宅用地の特例措置が適用されなくなります。つまり、売却までの期間、固定資産税が高額になってしまうのです。
このため、売却の見込みが立ってから解体するのが基本です。私たちは、こうした税制上の注意点も含めて、売却戦略をアドバイスします。
天白区のEさんは、相続した実家の売却を検討されていました。建物は築40年で老朽化が進んでいましたが、立地が良く、土地の需要が見込まれる場所でした。
私たちは、まず買い手を見つけてから解体するプランを提案しました。結果的に、建物の解体を条件に土地を購入したいという買い手が見つかり、解体費用を売却価格に上乗せする形で取引が成立しました。
解体サポートの活用
どうしても解体が必要な場合、解体業者の選定が重要になります。解体費用は業者によって大きく異なり、中には不当に高額な見積もりを提示する業者もいます。
私たちは、解体サポートサービスを提供しています。複数の解体業者から見積もりを取り、比較検討のお手伝いをします。また、自治体の解体補助金制度についても情報提供します。
多くの自治体では、老朽化した空き家の解体に対して補助金制度を設けています。名古屋市や日進市でも、一定の条件を満たせば解体費用の一部を補助する制度があります。
ただし、これらの制度は申請のタイミングや条件が細かく設定されています。知らずに解体を始めてしまうと、補助金が受けられないこともあります。事前の情報収集が非常に重要です。
資金計画との統合
空き家の処理と新しい住まいの計画は、切り離して考えることはできません。売却益は次の住まいの資金になりますし、解体費用は住宅ローンの借入額に影響します。
私たちは、家づくりから不動産の活用・売却まで、トータルでサポートできる体制を整えています。空き家の売却益を考慮した適正な予算診断、住宅ローンの審査サポートも行います。
「住宅ローンは通ったけれど、返済が不安」という状況を避けるためには、空き家の処分で得られる資金や、解体にかかる費用を正確に把握し、総合的な資金計画を立てることが不可欠です。
名東区のFさんは、実家の売却益を新居の頭金に充てる計画でした。しかし、売却のタイミングや解体費用の見積もりが甘く、当初の計画が大きく狂いそうになりました。
私たちが介入し、適切なタイミングでの売却戦略を立案。結果的に、当初の予定以上の売却益を確保でき、理想の住まいを実現することができました。
第4章:早めの相談が最善の対策
後回しにするほど選択肢は狭まる
ここまで読んでいただければ、空き家の放置がいかにリスクの高い行為かご理解いただけたと思います。そして、最も重要なのは「早めに動くこと」です。
空き家問題は、時間が経過するほど解決が難しくなります。建物の老朽化は日々進行し、修繕費用は増加します。近隣トラブルも深刻化します。そして、特定空家に指定されてしまえば、選択肢は大きく限られてしまいます。
「まだ大丈夫」「もう少し様子を見よう」という考えが、後々大きな後悔を生むことになります。私たちが対応してきた多くのケースで、「もっと早く相談していれば」という言葉を聞いてきました。
逆に、早い段階で相談いただければ、選択肢は豊富にあります。じっくりと検討する時間もあり、最適な判断ができます。費用面でも、早期対応の方が結果的に安く済むことが多いのです。
中立的な立場だからこそ提供できる価値
私たち「住宅のマイスター日進・名東店」の強みは、特定のメーカーや業者に縛られない中立的な立場にあります。
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リフォーム会社を紹介する際も、解体業者を選定する際も、不動産売却をサポートする際も、常にお客様の利益を最優先に考えます。紹介料目当ての提案は一切しません。
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空き家の問題は、決して簡単ではありません。しかし、適切な知識と早めの対応があれば、必ず解決できます。そして、リスクを未来の資産に変えることも可能です。
まとめ:今すぐ行動を始めましょう
空き家の放置がもたらすリスクについて、詳しく解説してきました。固定資産税が最大6倍になる可能性、損害賠償責任のリスク、行政代執行による高額な費用負担、近隣トラブルによる精神的負担。これらは決して脅しではなく、実際に起きている現実です。
しかし、悲観的になる必要はありません。適切な対処法はあります。活用するにしても、売却するにしても、早めに動けば選択肢は豊富にあります。
最も避けるべきは、「何もしないこと」です。問題を先送りにすればするほど、状況は悪化します。今日から、できることを始めましょう。
まずは情報収集から始めてください。自分の所有する空き家がどのような状態にあるのか、どのような選択肢があるのか、それぞれの選択肢にはどのようなメリット・デメリットがあるのか。
そして、専門家に相談してください。一人で抱え込まず、経験豊富なプロのアドバイスを受けることで、最適な解決策が見えてきます。
私たち「住宅のマイスター日進・名東店」は、お客様の空き家問題解決のパートナーです。どんな小さな疑問でも、どんな複雑な状況でも、まずはご相談ください。
相談は無料です。お客様の大切な資産を守り、より良い未来につなげるお手伝いをさせていただきます。
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