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実家横の土地に家を建てるメリット・デメリット【20代S様邸の事例より】



実家横の土地は「理想の立地」か「複雑な課題」か

お客様からのご相談の中で、特に増えているのが「実家の横や敷地内に新しく家を建てたい」というお話です。土地取得費が抑えられたり、子育てで親世帯のサポートが受けやすかったりと、一見するとメリットばかりのように思えますよね。

しかし実は、この「実家横の土地」という特殊な立地には、通常の家づくりよりもはるかに複雑な課題が隠れています。法規制上の問題、プライバシーの確保、親世帯との資金のやり取りなど、事前に対策しないと後々大きなトラブルに発展することもあります。

当店で過去にサポートさせていただいた20代・S様ご一家は、まさにこうした課題を見事にクリアされた成功事例です。今回は、S様邸での経験を踏まえ、実家横の土地に家を建てることの具体的なメリットと、それを上回るほどのデメリット、そしてそれらを解決するための実践的なアプローチをご説明します。

家横の土地活用のメリット—最大化すべき「コストと利便性」

土地代が抑えられるという経済的なメリット

実家横の土地で家づくりをする最大の理由は、やはり経済的なメリットです。ほとんどの場合、親世帯からの土地の贈与や無償貸与、あるいはお手頃価格での売却という形になります。

特に20代・30代の若い世代にとって、土地取得費が削減されることは、家づくりの予算配分全体に大きな影響を与えます。例えば、予定していた予算800万円のうち、300万円が土地代だったとします。親世帯の協力で土地が手に入れば、その300万円を建物の性能向上や、内装・設備の充実に充当できます。

S様邸の場合も、実家横という立地を活かすことで、土地代を大幅に削減できました。その結果、浮いた予算を使って、高性能な断熱材の導入や、長く快適に住める設備選びに注力することができたのです。

資金計画に余裕が生まれることで、親世帯からの援助があった場合でも、その後のローン返済が無理なく続けられる計画が立てやすくなります。結果として、後から「返済が苦しい」という事態を避けられるわけです。

子育て世代にとっての圧倒的な利便性

実家横に住むことは、子育て世帯にとって非常に大きなメリットがあります。親世帯がすぐ近くにいることで、日常の協力が得られるからです。

例えば、共働き世帯であれば、急な子どもの病気や学校の用事が生じたとき、親世帯に頼ることができます。「今日、子どもが熱を出したから迎えに行ってもらえない?」こうした緊急時のサポートは、お金に換算しがたい価値があります。

また、日常的な子どもの預け入れも容易です。親御さんも孫さんのお世話を望んでいることが多いため、お互いに WIN・WIN の関係が築ける場合がほとんどです。当店でサポートしたお客様の中にも、「朝の保育園送迎を親に任せることで、自分たちの時間に余裕ができた」というお話をお聞きしています。

さらに、既存のインフラが近くに整っているという利便性もあります。実家に上下水道、ガス、電気が既に引き込まれていれば、新しい住宅へのインフラ引き込み工事が簡潔に済む可能性があります。ただし、これについては建築のプロ視点での確認が不可欠です。実は思わぬ追加工事費が発生することもあるため、事前診断が重要なのです。

実家横の土地活用のデメリット—克服すべき「複雑な課題」

建築・法規制上の制限と日当たりの問題

ここからが、多くのお客様が見落としている重要な部分です。実家横の土地は、実家の建物を前提とした法規制や配置の制約を強く受けます。

特に問題になるのが、日当たりや採光です。実家の建物が大きい場合、新居が実家の陰になり、想像していた以上に暗くなってしまうことがあります。これは単なる配置の問題ではなく、建築基準法上の「日影規制」や「高さ制限」といった法律が関わってきます。

また、土地が実家の敷地内にある場合、土地を分ける手続き(分筆と言います)が必要になることがあります。この手続きは想像以上に複雑で、法務局での申請や測量が伴います。さらに、公道への接道義務を満たしているかの確認も欠かせません。

そして、多くの人が驚くのが「隠れた工事費用」の発生です。土地が実家の裏手にあり、インフラの引き込みが困難な場合、かえって高額な別途工事費(上下水道やガス管の長距離引き込み、地盤改良など)がかかることがあります。当初の予算を大幅に超える事態を避けるには、建築のプロによる事前診断が絶対に必要です。

プライバシーと人間関係のコントロール

実家
横の家づくりで最も難しいのが、物理的な距離が近いことによるプライバシーの問題です。建物同士が近いと、窓から互いの生活が見えやすくなります。朝何時に起床して、夜何時に寝ているのか、誰が出入りしているのか—こうしたことが筒抜けになってしまいます。

設計段階で慎重に計画しないと、このプライバシーの問題がストレスの原因になり、実家との関係がギクシャクしてしまうこともあります。S様邸が「バランスよく配置した理想の我が家」という結果を実現できたのは、このプライバシー確保を最優先にした設計戦略があったからです。

また、距離が近いことで、子育てや家事、生活習慣について、親世帯からの干渉が増える可能性もあります。「子どもの教育方針がうちと違う」「家事のやり方について口出しされる」こうしたことが積み重なると、関係が悪化することもあるのです。

対策としては、設計の工夫に加えて、事前に「家族間のルール作り」をしておくことが重要です。例えば、「月に1回は一緒に食事する」というルールを決めるなど、良好な関係を保つための工夫が必要になります。

複雑な資金計画と相続トラブルのリスク

親世帯からの資金援助や土地の贈与がある場合、資金計画が一気に複雑化します。ここに税金の問題が絡んでくるのです。

例えば、親世帯から500万円の贈与を受けた場合、この金額によっては贈与税が発生することがあります。贈与税とは、親からの金銭援助に対して課税される税金です。ただし、特例措置を活用することで、一定額まで非課税にできる場合もあります。こうした複雑な税金の問題は、素人判断では危険です。

さらに、土地の持分(誰がどれだけ所有するか)の決定も重要です。親世帯が土地を所有して、子世帯が建物を所有する場合もあれば、土地と建物を共有する場合もあります。この持分の決め方を誤ると、将来的な売却や相続の際に深刻なトラブルに発展するリスクがあるのです。

実は、私たちが見てきた失敗事例の中には、「親のときは良かったが、親が亡くなり兄弟姉妹が出てくると、持分問題でもめた」というケースもあります。事前に弁護士や税理士のアドバイスを受け、書面で明確にしておくことが極めて重要です。

20代S様邸に学ぶ成功の秘訣

適正予算診断による資金の整理

S様ご一家は20代と若年層であったため、将来の返済能力と親世帯からの援助を含めた複雑な資金計画が必要でした。ここが多くのお客様がつまずくポイントです。

私たちは、まず「適正予算診断」を実施しました。これは、お客様の収入や貯蓄、今後の家族計画を踏まえて、月々いくらまでローン返済できるかを客観的に判断するプロセスです。その結果から、逆算して「この家族には最大いくらまでの予算が適切か」を算出します。

多くの人は、「銀行が貸してくれる金額=返済できる金額」と勘違いしています。しかし実際には、銀行の審査は保守的ですし、お子さんの教育費や親の介護費など、予期しない出費も生じます。適正な予算を事前に把握することで、後から「返済が苦しい」という事態を未然に防げるのです。

S様邸の場合、親世帯からの援助額が確定する前に、「親のサポートがなくても返済できる金額」を先に確定させました。その上で、親世帯からの援助をどのように活用するかを検討しました。これにより、予期しない状況が生じても、家族間でトラブルが生じない構造を作ることができたのです。

建築目線による配置とプライバシーの確保

「バランスよく配置」という成功の核心は、実家と新居の生活動線と視線を完全に分離することにありました。

当店では、単に「家を建てる」のではなく、「その土地の特性を最大限に活かす家を建てる」という視点を大切にしています。S様邸の場合、実家の建物から新居への影響(日影、視線)を詳細にシミュレーションし、法規制を遵守しつつ、最大限の採光とプライバシーが確保できる配置を提案しました。

具体的には、新居の玄関を実家とは反対側に設置し、生活動線が交わらないようにしました。また、実家の南側を有効活用して、新居の日当たりを確保するという工夫もしています。

さらに、実家と新居の境界線を明確にし、それぞれの世帯の駐車場や庭への動線が交錯しないよう、緻密に設計しました。これらの工夫により、物理的な近さはありながらも、プライバシーが守られた理想的な配置が実現できたのです。

複数メーカーの中立的な比較

資金計画が複雑な実家横の家づくりでは、複数のメーカーの提案を公平に比較し、適正な価格で契約することが不可欠です。

当店では、S様邸のために複数のハウスメーカーから提案を取り、それぞれのメリットとデメリットを包み隠さずお伝えしました。「メーカーAは価格は安いが、この立地での経験が少ない」「メーカーBは経験豊富だが、価格が高め」といった具合に、客観的な比較ができるようにサポートしました。

また、複雑な商談の際には、初回の商談に当店スタッフが同席させていただきました。営業マンの説明を一人で聞いていると、つい営業トークに流されてしまうこともあります。第三者の視点があることで、冷静に判断できるようになります。

結論—実家横の家づくりは伴走者が成功の鍵

実家横の土地に家を建てることは、経済的なメリットと生活の利便性という大きな魅力を持つ一方で、法規制、プライバシー、人間関係、複雑な資金計画という深刻なデメリットも併せ持っています。

S様邸が「実家横の立地にバランスよく配置した理想の我が家」という成功を収めた秘訣は、専門家による適切な伴走を得て、デメリットを事前に潰し、メリットを最大限に引き出したことにあります。

当店では、営業目線ではなく、お客様の立場に立ったサポートを心がけています。メリットもデメリットも包み隠さずお伝えし、納得できるまで丁寧にご説明します。

「実家横の土地活用を検討しているけど、何から始めたらいいのかわからない」「親世帯との資金計画について相談したい」というご相談でしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。当店での相談は完全無料です。

お客様の理想の住まいを実現するため、私たちは全力でサポートさせていただきます。

住宅のマイスター日進・名東店
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