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住宅ローン審査を安心して迎えるための完全準備ガイド



こんにちは。住宅のマイスター日進・名東店の代表アドバイザー・宮地覚です。

私は大手ハウスメーカーで27年間勤務し、最年少店長として組織運営を担当してきました。その間に、延べ7,200組を超える住宅相談に携わり、330組のお客様の家づくりを直接担当させていただいた経験があります。

さらに私には、他の住宅アドバイザーにはない経験があります。それは、私自身が鉄骨住宅と木造住宅を合わせて3回もマイホームを建てた買い手側の立場を持っていることです。売り手としても買い手としても、両方の視点を持つ私だからこそお伝えできる、本当に大切なことがあります。

今回は、多くのお客様が不安に感じている「住宅ローン審査をどう迎えたらいいのか」という課題について、私たちプロが実践する準備方法をお伝えします。

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「審査が通ったから大丈夫」では危険な理由

住宅ローン審査に進む前に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。それは「審査が通ったこと」と「安心して返済できる予算」は、まったく別の問題だということです。

金融機関の審査は、お客様の現在の年収に基づき、法的に許容される返済比率で融資額を決めています。一般的には、年収の35%以内という基準が使われます。しかし、これはあくまで銀行側の「貸出基準」に過ぎません。

例えば、年収600万円の方であれば、銀行の審査基準では約4,500万円程度の借入が可能になります。しかし実際には、お子様の教育費、車の買い替え、親の介護といった将来の出費を考えると、同じ方でも安心できる借入額は3,000万円かもしれません。

私たちが多くのお客様からお聞きするのが「審査は通ったけど、本当に返済できるか不安です」という声です。これは、金融機関の基準と、実生活での「無理のない返済額」にズレがあるからです。

ハウスメーカーの営業担当者も、金融機関も、お客様が「最大いくら借りられるか」という側面から提案することが多いです。しかし私たちの役割は、逆に「お客様が安心して返済できる、本当に適正な予算はいくらか」を一緒に見つけることなのです。

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あなたの人生設計から逆算する「適正予算診断」

ここからは、私たちが実際にお客様にご提案している、適正予算を診断するプロセスについてお話しします。

未来のライフイベントを見える化する

最初のステップは、お客様の人生全体を見つめることです。具体的には、これからの人生で何にお金がかかるのかを、できるだけ詳しく洗い出すのです。

例えば、30代のご夫婦がマイホームを購入する場合を考えてみましょう。お子様がいれば、進学時期には教育費が大きく膨らみます。大学入学時には、1年間で150万円から200万円の出費が見込まれます。

同時に、親の介護に備える時期でもあります。お子様の独立後は、趣味やレジャー費用にも余裕を持たせたいかもしれません。そして誰もが必ず迎える「定年」。ローンの完済時期は、退職時期よりも前に設定すべきです。

私たちのお客様に「50代・M様」という方がいます。M様は二世帯住宅の購入を検討されていました。ご自身が50代、ご親族も高齢という状況です。一般的な35年ローンでは、M様が85歳まで返済することになります。これは明らかに現実的ではありません。

私たちはM様と一緒に、将来のイベントを整理しました。親族の介護時期、ご自身の定年時期、お子様の独立時期など、大きな出費と収入の変化を具体的に書き出したのです。その結果、M様にとって最適な返済期間は20年程度であることが分かりました。

生活の質を維持するための「余裕」を計算する

次に大切なのは、「今の生活水準を維持できるか」という視点です。

マイホームを購入したら、多くの方は現在の家賃と同じくらいの返済額なら大丈夫と考えます。しかし、実際にはそうではありません。住宅購入後は、新たな出費が発生するのです。

固定資産税や都市計画税といった税金、火災保険料、定期的な修繕費、光熱費の増加などが考えられます。さらに、家が完成したら、家具や家電、庭のグリーン化など、生活を整えるための支出も必要です。

私たちのお客様「30代・H様」は、当初「毎月12万円の返済なら、現在の家賃と同じだから大丈夫」とおっしゃっていました。しかし、詳しく家計を分析してみると、実は現在、親族からの小額の経済支援を受けていることが分かりました。マイホーム購入後は、その支援も期待できなくなる可能性があります。

また、H様夫婦は毎年20万円程度、旅行費用に使っていました。返済額を月12万円にすると、その余裕が完全に失われてしまいます。結果として、私たちはH様の無理のない返済額を月10万円と診断し、それに基づいて予算を再設定しました。

このプロセスを通じて、H様は「何を大切にするのか」という人生の優先順位を明確にすることができたのです。

将来のリスクに備える安全マージン

私が3回のマイホーム建築経験から学んだ、最も大切な教訓があります。それは「予期せぬ出費は、必ず発生する」ということです。

金利変動のリスク、収入が減少するリスク、そして健康を害するリスクなど、人生には予測不可能な出来事がつきものです。完璧な家計管理をしていても、想定外のことは起こります。

だからこそ、私たちは、お客様の返済額を計算する際に、必ず「安全マージン」を確保するようアドバイスしています。これは、計算上の「最大返済可能額」から、さらに10%から20%程度、引き下げるということです。

例えば、月15万円まで返済できると計算されたお客様であれば、実際の返済額は月12万円から13万円に設定するのです。この差は、困った時の生命線になります。

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適正予算から「土地」「建物」「諸費用」への配分

適正予算の総額が決まったら、次のステップは、その予算をどのように配分するかを決めることです。ここには、建築のプロの視点が不可欠です。

土地選びに隠されたコストを見抜く

多くのお客様は「土地の購入費用」だけを計算します。しかし、実際には土地によって、さまざまな追加コストが発生するのです。

例えば、地盤改良工事。軟弱な地盤の土地では、建物を建てる前に地盤を補強する必要があります。この工事には、100万円から300万円程度かかることもあります。

また、造成工事も重要です。土地が周辺より低い場合、盛土や排水工事が必要になります。さらに、インフラの引き込み工事。上下水道やガスが敷地内に引き込まれていない場合、その工事費も加わります。

私たちのお客様の中には、土地の価格だけを見て決めてしまい、後になって追加工事に600万円以上かかることが分かった方もいます。最初から私たちに相談していただければ、そのようなリスクは回避できるのです。

土地探しの段階から、私たちが同行して「建築目線で見た土地の真の価値」をお伝えすることは、適正予算を守るための極めて重要なステップなのです。

建物のグレードをどこで調整するか

適正予算と土地のコストが確定したら、建物にかけられる予算が自動的に決まります。ここで大切なのは「何を優先するか」という判断です。

例えば、キッチンを高級グレードにしたいというご希望と、収納を充実させたいというご希望が、予算内で両立しないかもしれません。そのようなとき、どちらを選ぶべきか。

私たちは、お客様のライフスタイルやご家族構成を詳しくお聞きした上で、本当に大切な要素に予算を集中させることをご提案しています。毎日使うキッチンなら、グレードアップは後悔しにくいかもしれません。一方、1年に数回しか使わない和室は、シンプルに仕上げても問題ないかもしれません。

私たちのお客様・H様の場合、仕事をテレワークで行う機会が増えるとのことでした。そこで、オフィススペースと物置スペースを充実させることを最優先にしました。結果として、とても快適な住環境が実現されたのです。

メリットだけでなく、デメリットも正直にお伝えしながら、お客様と一緒に選択肢を検討していく。これが、後悔しない家づくりのための不可欠なプロセスです。

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住宅展示場・ハウスメーカー選びでのプロのサポート

適正予算が決まり、「土地」「建物」の配分が明確になったら、いよいよ具体的なハウスメーカー選びに進みます。この段階で、私たちの経験が大きな力になります。

住宅展示場は「プロの目」で見学する

多くのお客様は、一人で住宅展示場を訪問します。そこで見るモデルハウスは、実際の生活とは程遠い、華美な内装ばかりです。お客様は、その美しさに目を奪われ、本来の判断基準を失いやすいのです。

例えば、リビングの天井高が4メートル近い豪華なモデルハウスを見た後、実際に見積もりを取ると「天井高4メートルなら、照明や空調のコストが大幅に増加する」ことに気づきます。つまり、モデルハウスで見た華美さは、自分たちの予算内では実現不可能なのです。

私たちが住宅展示場に同行する際には、各社のモデルハウスの「違いや特色」をプロ目線で解説します。「この構造体の違いは、長期的なメンテナンスコストにこう影響する」「この建築工法は、これからの気候変動下ではこのようなメリットがある」といった情報を提供するのです。

お客様は、冷静かつ客観的な判断基準を養うことができ、実際に建てたい家のイメージを、より現実的に描くことができるようになります。

初回商談は「パートナー」として同席する

複数のハウスメーカーから提案を受けるとき、営業担当者の説明だけで判断するのは困難です。特に、初回の商談では、営業トークに圧倒されてしまいやすいのです。

私たちは、お客様の初回商談に同席させていただき「提案内容の妥当性」と「営業担当者の相性」を一緒に確認します。

例えば、見積もりに不明な項目があれば、その場で質問して明確にします。営業担当者が「この仕様は追加料金なしで対応できます」と約束した場合、それが契約書にどのように記載されるのかを確認します。

これらの作業は、審査後のトラブルを未然に防ぐための極めて重要なステップなのです。

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後悔しない家づくりは「安心できる準備」から始まる

ここまで、私たちが提供する完全準備ガイドについてお話ししてきました。

適正予算の診断から、土地探し、ハウスメーカー選びまで、私たちはお客様のパートナーとして伴走します。金融機関の基準ではなく、お客様の人生設計に基づいた、本当に安心できる予算を一緒に見つけるのです。

私の27年間のハウスメーカー勤務経験と、3回の自らのマイホーム建築経験、そして累計7,200組を超える住宅相談の実績は、すべてお客様の「後悔しない家づくり」のために活用されます。

私たちは、営業ではなく「お客様の立場」で、メリットもデメリットも包み隠さず、納得できるまでお話しします。

「何から始めればいいのかわからない」という段階からでも大丈夫です。相談はもちろん無料です。安心できる家づくりと住宅ローン審査のために、まずは私たちにご連絡ください。

住宅のマイスター日進・名東店
代表 宮地 覚
TEL:052-808-5551