空き家を放置すると危険?専門家が解説する5つの具体的な活用方法
相続した実家、転勤で離れた自宅、相続予定の物件。こうした「空き家」をお持ちの方は、愛知県内にも大勢いらっしゃいます。ただし、その空き家をそのまま放置していては、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
住宅のマイスター日進・名東店では、これまで多くのお客様の不動産に関するご相談をお受けしてきました。空き家についても「どうしたらいいのか分からない」というお困りの声をよく耳にします。
本記事では、空き家が抱える具体的なリスクと、それを回避し資産価値を最大化する5つの活用方法について、実例を交えながら詳しく解説します。
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空き家放置がもたらす3つの危険なリスク
空き家を何もせず放置し続けることは、実は非常に危険です。多くの方が「持っているだけなら大丈夫」と考えがちですが、現実はそうではありません。ここでは、具体的にどのようなリスクが発生するのかを説明します。
固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性がある
住宅が建っている土地には、固定資産税の優遇措置が適用されます。これを「住宅用地の軽減措置」といい、通常の固定資産税が最大で6分の1に減額される仕組みです。
ところが、建物が著しく老朽化して「特定空家」に指定されると、この優遇措置が失効します。すると、これまで月々数千円で済んでいた固定資産税が、突然月々数万円になることもあるのです。
例えば、毎月5,000円だった固定資産税が30,000円に跳ね上がれば、年間で30万円以上の負担増となります。この負担は、その空き家から何の収益も得ていなければ、完全な赤字となってしまいます。
建物の崩落で近隣住民に被害を与える可能性がある
老朽化した空き家の外壁や屋根、さらには建物全体が崩落するリスクもあります。もし、その瓦や外壁が隣の家の車にぶつかったり、通行人に危害を加えたりしたら、どうなるでしょうか。
民法では、不動産の所有者には「管理責任」があるとされています。つまり、たとえ住んでいなくても、その建物が近隣に危害を加えた場合、所有者が損害賠償責任を負わなければなりません。修理費だけでなく、相手への慰謝料まで請求される可能性もあります。
これは想像以上に高額になることがあります。実際のご相談の中には、数百万円の賠償請求を受ける事態を避けたいというお客様も少なくありません。
行政代執行で解体費用を全て負担させられる
特定空家に指定された建物が、自治体からの改善命令に応じない場合、最終的には市町村が強制的に解体することがあります。これを「行政代執行」といいます。
怖いのは、その解体費用を全て所有者が負担させられるという点です。通常の解体費用は建物の規模にもよりますが、50坪程度の木造家屋なら100万円から200万円かかることもあります。さらに行政代執行の場合は、割増料金が上乗せされることもあり、想定以上の出費になる可能性があります。
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空き家活用を始める前に—目的を明確にすることの重要性
実は、空き家の活用方法を決める前に、もう一つ大切なステップがあります。それが「目的の整理」です。
同じ空き家でも、何を目指して活用するかによって、選ぶべき方法は大きく変わります。
「毎月の家賃収入を得たい」のであれば、賃貸物件としての活用が適しています。一方、「相続対策として、親と同じ敷地に住みたい」という目的であれば、建替えや二世帯住宅への改修が候補になります。また、「今すぐ現金が必要」という事情があれば、売却が最適かもしれません。
目的を明確にせずに進めると、後になって「こんなはずじゃなかった」という後悔が生まれます。当店では、お客様と何度も話し合いながら、本当に叶えたいことが何なのか、一緒に整理するようにしています。
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空き家を活かす5つの具体的な方法
それでは、空き家の状態と目的に応じた、5つの活用方法を詳しくご紹介します。
方法1:賃貸物件として再生する(リフォーム・リノベーション)
最初の方法は、建物をリフォームやリノベーションし、賃貸物件として再生する方法です。建物の構造が比較的良好であれば、この選択肢が有効です。
解体せずに活用するため、初期投資を抑えながら毎月の家賃収入を得られる点が大きなメリットです。また、解体費用がかからない分、その費用を改修に回し、より魅力的な賃貸物件に仕上げることもできます。
例えば、築30年の木造家屋を全面リノベーションして、キッチンやトイレを新しくすると、借り手の関心も高まります。当店でも、「古い家を何とかしたいけど、どこから手をつけたらいいか分からない」というお客様に対して、リノベーション業者の複数社の見積もり比較をサポートしています。
ただし、注意点もあります。建物の劣化具合によっては、リフォームでは対応できず、解体の方が結果的に安くなるケースもあります。当店では、実際に建物を見学し、構造診断を行った上で「本当にリノベーションが適切か」を判断するようにしています。
方法2:解体して更地で活用する
空き家が著しく老朽化している場合、あるいは建物の利用効率が悪い場合は、思い切って解体して更地にするという選択肢があります。
解体後の更地は、さまざまな用途に活用できます。初期投資を最小限に抑えたければ、駐車場として貸し出すという方法もあります。近所にコインパーキングがあれば、月々数万円の収入を得ることも可能です。
あるいは、新築の賃貸物件を建設するという選択もあります。アパートや賃貸併用住宅を建てれば、長期的で安定した家賃収入が期待できます。立地条件によっては、30年以上の長期間にわたって収益を生み出す資産になる可能性もあります。
当店では、解体前から解体後までの全工程をサポートします。特に補助金の活用については、各市町村で異なる制度があるため、お客様の物件所在地に応じて、活用できる補助金がないかを確認するようにしています。
方法3:売却によって次の資金源とする
「空き家を保有し続けるのは不安」「毎年かかる固定資産税を払い続けるのは嫌」というお客様には、売却という選択肢が現実的です。
売却によって現金を得れば、その資金を自分たちの新築費用に充てたり、別の投資に回したり、あるいは老後資金として蓄えたりすることができます。
ただし、売却には注意点があります。空き家は、新築や築浅の物件と比べて、買い手がつきにくいという現実があります。そのため、適正な売却価格をつけることが非常に重要です。
当店では、複数の不動産会社に査定を依頼し、その金額の妥当性を検討するようサポートしています。また、売却に伴う税金(譲渡所得税など)についても、事前に説明し、「手元に残る金額がいくらになるか」を明確にした上で、売却判断をしていただくようにしています。
実際のご相談では、「空き家を売却した資金で、今住んでいる町に新築を建てたい」というご希望をお持ちのお客様も多くいらっしゃいます。そうした場合、売却益を自己資金に組み込み、住宅ローン審査をスムーズに進めるため、当店では資金計画全体を俯瞰してサポートしています。
方法4:自分たちの住まいに変える(建替え・リノベーション)
空き家を自分たちの新しい住まいとして活用する方法もあります。特に、実家の土地に新しい家を建てたい、あるいは親と同じ敷地に二世帯住宅を建てたいというご要望は少なくありません。
愛着のある土地に住み続けられる、通勤や学区などの生活環境を変えずに済むというメリットがあります。また、土地の購入費がかからないため、その分を建築費や設計に充てることができます。
当店では、建替えの場合、まず現在の建物の解体サポートから始まります。その後、新築の家づくりに関して、プラン・見積を複数社から取り寄せ、比較検討するお手伝いをしています。
二世帯住宅の場合は、特に複雑な資金計画や、親世帯・子世帯の双方の希望を調整する必要があります。当店では、こうした複雑な計画をサポートした経験が豊富であり、「親との関係を良好に保ちながら、納得いく二世帯住宅を実現できた」というお客様からのお喜びの声をいただいています。
方法5:特殊な立地条件を最大限に活かす
空き家の土地が「旗竿地」や「実家のすぐ横」など、一般的には敬遠されがちな条件である場合、その制約をどう乗り越えるかがポイントになります。
例えば、旗竿地(道路に面した細長い部分だけが接する土地)であれば、通常は駐車場が確保しにくい、採光が悪いなどの課題があります。しかし、建築の工夫次第では、そうした課題を解決し、むしろその立地だからこそ実現できるユニークな家づくりが可能です。
実際のご相談の中には、「実家の横の空いている土地に、自分たちのライフスタイルに合わせた平屋を建てたい」というご希望をお持ちのお客様もいらっしゃいました。そうした場合、建築基準法など法規制の確認から、隣地との関係性、日当たり・風通しなど、建築の専門知識を活かしながら、最適なプランニングを提案しています。
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活用を成功に導くための当店のサポート体制
空き家活用は、資金計画、業者選定、法務・税務など、多くの知識が必要になります。当店では、お客様が安心して決断できるよう、以下のサポート体制を整えています。
資金計画の安定化
活用にあたって最初に直面する課題が「お金」です。リノベーション費用はいくら?建替えにはいくら必要?ローンはどうする?こうした疑問に対して、当店では適正予算の明確化から、無理のない返済計画の逆算までをサポートしています。
売却益を自己資金に組み込む場合も、資金計画全体を統合し、「実際に手元にいくら残るのか」を明確にした上で、次のステップへ進むようアドバイスしています。
複数社のプラン・見積を中立的に比較
リフォームや新築、解体などを決めた後は、施工業者の選定が重要になります。当店では、複数の業者から見積もりを取り寄せ、各社の提案の「メリットとデメリット」を包み隠さずお伝えするようにしています。
営業トークに惑わされず、冷静な判断ができるよう、公平な視点からのアドバイスを心がけています。
一貫したサポート窓口
空き家活用には、解体、リノベーション、新築、引っ越しなど、複数のステップが関わります。当店では、これらのすべてのプロセスを一つの窓口で対応するようにしており、お客様が煩雑な業者選びに悩むことなく、スムーズに進められるよう整備しています。
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まとめ:空き家は「負債」ではなく「資産」に変えられる
空き家を放置することは、想像以上に大きなリスクを抱えることになります。固定資産税の負担増、損害賠償のリスク、行政代執行による強制解体など、いずれも所有者の経済的・心理的な負担を増やすだけです。
しかし、適切な活用方法を選び、早期に行動すれば、その空き家は大切な「資産」に生まれ変わります。
相続した実家をどうしようか、転勤先から帰ってきたときのために今から対策したい、そうしたご状況があれば、ぜひ当店にご相談ください。お客様の目的、経済状況、土地の条件に合わせた最適な活用方法を、一緒に考えさせていただきます。
空き家に関するご相談は、完全無料です。お気軽にご連絡ください。
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住宅のマイスター日進・名東店
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